2007/08/24

【きょうの読破】フラット化する世界(下)

フラット化する世界(下) (単行本)
トーマス・フリードマン (著), 伏見 威蕃 (翻訳)



感銘を受けた本の下巻です。

世界がフラットになるというのはどういうことか。
まず、国境がなくなります。すでにEU圏ではそういうことが起こりつつあります。
格差という意味がなくなります。

たとえば、本書を通じて書かれているのは、インドと中国の台頭です。特に日本人にとって目を引くのはインドについて。
2000年ごろから突然インド人が先端のオフィスに増えてきたなあ、と思うぐらいの認識しかないでしょうが、深く考察するアメリカ人にとってインド人は人類を救ったのです。
2000年問題で、第3次世界大戦を本気で心配する声もありました。マイクロソフトをはじめとする多くの企業が放置してしまった西暦のバグを、文句も言わず必死に直したのがインド人です。子供のころから数学に触れて、人件費はアメリカの技術者の100分の1。その人たちが黙々とやる作業がなければ、ひょっとしたら核兵器がロシアに向かって飛んでいたかもしれません。

アメリカは気づきました。
なぜアメリカ人にプログラムをさせているのか。
じゃ、アウトソーシングすればいい。
かくして本社はシリコンバレー、財務はシアトル、法務はニューヨーク、生産は中国、システムはインド。そんな大企業が続出しています。

そのとき、軍隊のように、シアトルの部長のいうことをインドの平社員は聞いてくれるでしょうか。
もう組織の中に上下の命令系統も必要ないのです。

それでは秩序がなくなるって?

秩序という考え方そのものが、もうフラット化する世界に対応できないのです。

ことはweb2.0だ、アウトソーシングだ、WHOだのと、そんなレベルの話ではないのです。

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