2007/07/25

デザインとシステム。そしてマーケティング

昨日のテーマとして取り上げたNHK特集の「携帯電話デザインウォーズ」でも、NECのシステム集団と外から入ってきたデザインチームの議論を見ることができました。
見ていると、お互いが「好き勝手なこと言ってやがる」というムードがありありと見えていました。
たまたまテレビカメラが入っていたから、それほど感情的な話にはならなかったようですが、もし好きなようにやらせておけばとんでもない泥仕合になっていただろうなあというかんじです。

その反対に、ソニーのミーティング(shingi)では、和気あいあいと自由に意見が飛び出して、あまりにも対照的な印象があります。

理由は一目瞭然です。
まず、デザインチーム、システムチームという言語そのものがもうおかしいでしょう。
そもそもチームというものは、共通の目的のために自然に発生するものであって、同じ目標に進む中に別のチームができるはずがありません。
野球チームでいうなら、ニューヨークヤンキースがあって、ボストンレッドソックスがある。それだけの話で、目的はそれぞれが相手チームに勝つためです。
決して、ニューヨークヤンキースの内野手チーム、とか、ニューヨークヤンキースのバッテリーチームなどとは言わないでしょう。

一般的な会社でも、そういう対立というのは存在していると思います。
おれの会社でも、小さいながらもデザインをする人がいて、システムを組んだり運用する人がいて、営業に出る人がいる。
それぞれ言い分は違うし、作業も違います。
それではいつも対立してていいかというと、そこから生まれるものは何一つありません。
「激しい議論が必要だ」
もっともらしくは聞こえます。
でも、社内の、あるいはチーム内の力関係で結論が出るのであれば、議論の意味はありません。
感情的な議論になれば、お互いに「すべてかゼロか」です。
ソフトで強烈なリーダーシップによって、議論の方向を導かなければNECのような一方のゴリ押しをもう一方が甘んじて受けるという図式になってしまいます。
生まれるのは遺恨だけ。

反対にソニーはというと、出席者全員がそれぞれにデザインについてもちろん、システムについてもマーケティングについてもうるさそうな人ばかりでした。
間違っても議論の中で、「システムについてはわからないけど…」なんていう言い訳でスタートする発言はないでしょう。
だからプロジェクトが成功すれば、お互いに喜ぶはずだし、失敗に終われば全員で肩を落とすでしょう。

すべてかゼロで決まる議論。
うまくいけば自分のおかげ、失敗すればあいつらのせい。

システムのことをまったく知らない人、デザインについて方向性の見えない人、マーケティングのことを考えたこともない人。
会議に出席する資格はありません。

【きょうの読破】報復ふたたび

報復ふたたび (ヴィレッジブックス) (文庫)
ジリアン ホフマン (著), Jilliane Hoffman (原著), 吉田 利子 (翻訳)


殺人シーンのあまりのむごたらしさに、通勤電車の窓から外の景色を見たくなります。
こういうシーンが好きな人というのはいるのでしょうか。

架空の登場人物たちでさえも、死体を見ては胃に不快感をおぼえたり、実際に吐いたりしているのです。

おれも実際のところ、ここまでひどくなってしまうと読んでいるだけで気持ちが悪くなってしまいます。
でも、そんな不快感を乗り越えて読破させようとするパワーがストーリーにあります。

だから必死に読み続けるのです。

じゃあ、そのシーンがなくて、ふつうの殺人だけでストーリーを組み立てたらどうだったのでしょう。
あらゆる小説について言えることかもしれないけど、同じストーリーを作ることはできないんだろうなあ。
ってことは、同じパワーを感じることはないということかな。

2007/07/24

【きょうの読破】シャチのシャムー、人づきあいを教える

シャチのシャムー、人づきあいを教える―ポジティブな人間関係の驚くべきパワー (単行本)
ケン ブランチャード (著), チャック トンプキンズ (著), サド ラシナック (著), ジム バラード (著), Ken Blanchard (原著), Chack Tompkins (原著), Thad Lacinak (原著), Jim Ballard (原著), 羽賀 芳秋 (翻訳)

ビジネスにおける人間関係、マネージメントの基本をシャチに教わってしまおうという本です。

それひとつとっても突拍子もないことに感じられますが、そういうこころがけ、謙虚に人と接することが一番の中心になっているように思えてなりません。
人がよくやってくれているかどうかを判断するとき、人間ってどうしても批判的な目で判断してしまいがちです。
どうしてかというと、自分と同じようにほかの人たちも一生懸命に、必死にがんばっているということを忘れてしまうからです。

一歩立ち止まって、この人がさぼっているだろうか、失敗をしてしまったのだろうか、それともいい仕事をしているけど、少し方向が違うだけだろうか。

謙虚に、その人と触れ合おうと思うだけで、
「welldone!」(よくやったよ)
という声をかけてあげたくなりませんか。

前回の「熱狂する社員」にもありましたが、組織を強くするには人の力が最重要です。
そして、人の力を引き出したいと思ったら、「公平感」「達成感」「連帯感」だけを向上することです。
そのどれについても、小さなことだと考えず、ほかの人の仕事を
Welldone!
と言ってあげる謙虚さとやさしさのフィードが大切だと実感します。

デザインって、見た目のことだろうか

興味深いテレビ番組を見ました。
NHKでやっていた NHKスペシャル 「デザインウオーズ・変革を迫られる日本のものづくり」いう番組です。

デザインとはなんだろう、つくづく考えさせられました。
一時、auで売られていた「infobar」という携帯電話がありましたが、日本の携帯電話界に「デザイン志向」が存在していたのは、その当時ではないでしょうか。つまりは、携帯電話のテクノロジーにしても、中身のサービスにしても、日本がやっぱり一番進んでいるというのが実感です。
今になって、携帯電話のデザインうんぬんを言っていること自体があまりに古い。

そのへんの考察は

〔NHKスペシャル「携帯電話開発の裏側」〕
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/keitai/1185037432/l50

にも詳しく議論されていました。

要するに、すでにauでやってきたことが、docomoは今さらながらスタートしたってだけのようです。
それも、NECとかLGとか、今までさほど「おしゃれ」を意識しないメーカーだけの話です。

本当におしゃれを追求している会社は、ソニーにしてもシャープにしても、サンヨー、カシオといったところまで、例外なくとっくにデザインを重視した携帯電話に移っています。
au、Softbankとも、見た目のデザインなどはもう卒業。
docomoだけがいまさら
「L701iのロゴは光らないの?」
とか言いながら、メーカーが作ったものにいちゃもんをつけているのです。

たぶん、こうした流れは必ず解約するときに聞かれるアンケートで
「差し支えなければ他社に移る理由を聞かせてください」
「電話機がかわいかったから」
という回答が多いから、うちもデザインを重視しなきゃ。となったんでしょう。
で、いざメーカーに作らせたら
「ロゴは光らないの?」

ロゴが光るからLGの携帯電話を買う人がいるでしょうか。

見た目のデザインではなく、使う人にとって使いやすい配置、見やすい画面、その上での優越感や充実感。それがデザインでしょう。
デザイナーという職種の人のことはほとんど知りませんが、NECの携帯をああしたい、こうしたいといってたデザイナーがいましたが、あの人の感覚では使う人にとってのデザインはできないだろうなあと思いました。

日本の携帯電話は、テレビが見られて、漫画が読めて、小説まで書ける。
そこまで進んでいる世界に、いまさら見た目なんて必要あるでしょうか。
エンジニアとデザイナーが口論してて、最高のものなんかできるわけがない。携帯電話の世界だけでなく、あらゆることに共通するブレーキでしょう。

2007/07/13

今日の読破【熱狂する社員】

熱狂する社員 企業競争力を決定するモチベーションの3要素 (単行本)
デビッド・シロタ (著), スカイライトコンサルティング (翻訳)



前回、英知出版といったのは大間違い。
よく見たら英知出版ではなく「英治出版」でした。
デラべっぴんを出していた会社が「ネクストマーケット」なんておかしいな、と気づくべきでしたね。

前回はもう一つ楽しめない英治出版でしたが、これはすごい本です。

読み始めてすぐに気づきました。
これは読み流してはいけない。
本気でこれを実行していかなければ。

経営に参加していれば、迷うこともあります。
自信を失うことだってあります。

でも、大事なこと、忘れてはいけないことが必ずあります。

たまたま出会った本が、自分の信じていることをそのまま表現してくれる。
決して、自分と意見の合う本ばかりを高く評価してしまうのではなく、また意見が合う部分だけ重視するのではなく、おぼろげに「これが正しいんじゃないか」と考えが正しいと論理的に後押ししてくれる本の出現。
この喜びは忘れてはいけないと思います。

この本はもう一度読みます。
本気の感想はもう一度読んで見えてくるでしょう。

次元のカベを超えて

この数日間、かなり感情的になっていました。
会社の理念一つとってもばらばらで、自分が経営者の1人として役員にいるのは確かであっても、そのポジションがトップダウンの中間点なのか、ボトムアップの中間点なのか、見えてなかったような気がするからです。

というか、見ようとしすぎていたかもしれません。
まだ立ち上げたばかりの会社、どんな方向に進むかなんてわかりません。
そこにおれいるからには、なんらかの影響を与えつづけていくのです。
そして、相手も同じように影響を与えつづけていたいと熱望するでよう。

少し立ち止まって考えて、一つの結論に達しました。
結局だれだって、今ある環境で突き進むしかないということです。
何にだって、いい面と悪い面があるでしょう。悪い面を見ていると、その裏側にはいくらいい面があったとしても、物理的に死角に入ってしまいます。

人間は、4次元の生き物です。
ほかの動物とちがって、時間に対する意識があり、未来という観念があります。
でも、物理のようにはっきりと4つめの次元を座標にして、はっきりと把握する能力はありません。
もちろん、物理的、肉体的には明らかに3次元の住民です。
よほど世の中をわかっている人でなければ、4つめの次元を具体的に考えることはできないでしょう。

いい面と悪い面の死角。
人間が月や火星のように、いよいよもう一つの次元を捕まえることができれば、同時に考えることもできるかもしれませんが、まだまだ人間は勉強しなくてはならないでしょう。
そのとき、いま概念的に「未来」と呼んでいるものは、もっと別の形で人間に見えるようになるかもしれない。

おれは思っています。
1週間後、きょうの自分の気持ちさえも予測できない人生だからこそおもしろい。
その人生をおもしろがっていられる自分はやっぱり幸せなんだと思う。

会社のために、従業員たちのために、もっと考えられることはないか、もういちど立ち止まって見たいと思いました。

2007/07/11

【今日の読破】1分間自己管理

1分間自己管理 (単行本)
ケン・ブランチャード (著), スティーブ・ゴットリー (著)



ケン・ブランチャードの本を最近読み漁っている印象だけど、基本的にいつも考え方、行動パターンは彼の言ったこともできてる、またはこれからできそうな気がするというのが基本的な感想でした。
でも、これはまさに例外です。
いきなり
「どろなわマネージャー」
ときました。

そして、それを言われている主人公はまるでおれ自身。

読みながら、ハッとわれに返るおれ。
何故納期が守れないのか。何故先延ばしになってしまうのか。

言われていることがいちいちグサっとくるし、言うことに説得力がある。
で、主人公同様に読み進むにしたがって、できるような気になっていくからやっぱりケン・ブランチャードはやっぱりすごい。

ProjectKeeper断念

昨日宣言したProjectKeeperの導入。

ERPとCRMをオープンソースで実現する日本発のASPとの触れ込みだったが、ベータ版を無料で公開したとのニュースリリースから入ってみました。
そのスクリーンショットを見る限り、いままでTUTOSを最有力候補として導入を計画していたが、さすが日本発、ProjectKeeperのほうがはるかに導入後、スタッフたちが有意義に使ってくれそうな印象です。

では、ということでスタート。
まずはベースになるASPファイルをダウンロード。
これはカンタン。
ZIPファイル内に、readmeがあるので、これを確認します。

必要な環境に、IBMのフリー版サーバ「WebSphere」と「DB2-Express」があったので、早速それをインストール。
まず、このIBMのソフト、基本的にデータベースやwebアプリケーションをGUI(グラフィックユーザインタフェイス…windowsみたいの)で扱うことが前提になっているみたいだから、おれのようにサーバまでリモート、SSH環境のみでアクセスしている人間にとっては、不便なことこの上ないソフト。
ディスプレイつなげるのいやだったので、なんとかそのままCUI(キャラクターユーザインタフェイス…コマンドプロンプトみたい)でインストールして、必死になってなんとかなりました。
そこまではいい。

じゃ、いよいよデータベース作って、インストールしようとします。
ところが、実際はうまくいかない。
っていうか、途中で投げ出してしまいました。
なぜかっていうと、データベース作るのも、サーバーにインストールするのも、やっぱりGUIの画面が中心です。
もちろん、おれがMySQLとPHPのように、いつも使っているツールであれば、そんな泣き言も言ってられないでしょう。
だから泣き言を言わせてもらいます。

使いやすくない。
しかも、わかりやすくない。

サポートに高い料金設定をしている理由がよくわかりました。

というか、無料で使ってもらうという想定はないんだろうと思います。
今回のフィード記事も、多分ITメディアなんかに送ったプレスリリースがそのまま掲載されたものです。
単なる無料で広告を掲載してもらうのに、ProjectKeeperを無料公開というエサが必要だったんだなあ。

昨日、おれが指摘したとおり、やっぱりオープンソースをビジネスモデルにするのは非常に難しい。
日本のオープンソースは、こうして商売を進めてるのかな。

ほとんどの人がおれと同じように落胆しているとしたら、なんだかすごく悲しい。
オープンソースのいいビジネスモデルを知っている人がいたら教えて欲しい。

2007/07/10

サイオス、「誰もが使える」プロジェクト管理ソフトをOSSで公開


サイオス、「誰もが使える」プロジェクト管理ソフトをOSSで公開

サイオステクノロジーは、プロジェクト管理のWebアプリケーション「ProjectKeeper ベータ版」をオープンソースとして公開した。
2007年07月04日 21時10分 更新

オープンソースの考え方、おれは100パーセント支持します。
今はありとあらゆる世界が、オープンソースムーブメントによって支えられつつありますが、やっぱり心配なのはそのマネープラン。
ビジネスモデルとして、利益が出るのかどうなのか。

たとえば、オープンソースを収益に変えることで最も成功したのは「レッドハット」だと思いますが、ビジネスモデルは収益をサポートで上げるというものでした。
それが実現するには、レッドハットが限定で発売するTシャツがあっという間に売り切れるだけの、ブランド力とカリスマ性が必要だったのはいうまでもないでしょう。
そのへんのIT企業がオープンソースで儲けようと思ったら、コマーシャルライセンス商品と比較され、負けてしまうのではないでしょうか。
「安い」は売りになりません。
資金があれば、高くても買います。
資金がなければ1銭も出したくありません。

おれの会社でも、プロジェクトとERPを一体化させたシステムが欲しかったので、ちょうど導入してみようとは思いますが、サポートには資金を投じないでしょう。

【今日の読破】ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略

ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略 (単行本)
C.K.プラハラード (著), スカイライト コンサルティング (翻訳)


英知出版というと、アイドル雑誌なんかが中心だったように気軽に読めるイメージですが、この「ウォートン経営戦略シリーズ」は敷居が高く、なかなか読むのが難しいことが多いです。
中でも、この本はピカ1でしょう。

なんだかわからないけど、とにかく難しいことが書いてあります。
先進国の資本と技術力を、いかに発展途上国に貢献させ、そしてどうやって収益を上げていくかのモデルです。
発展途上国の内情なんかをまったく考えずに読み進むと、まったく理解不能になってしまいます。
書いてある背景まで想像しながら、ゆっくり読めば理解できるようにはなりますが、あまり楽しい読書体験ではありませんでした。

ショックだったのはamazon.co.jpの書評が、好評なものばかりだったこと。
みんな勉強してるんですね。

長所が大事だっちゅーの

今朝、出勤前に時報代わりに流していたテレビに、突然あまり美しくない女性が映っていました。
どうも、扱いはタレントのようですが、まったく知らない人で、ルックスのレベルはどう見ても一般人以下です。
こんな人がタレントだというだけで驚き、思わず足を止めてテレビを見てしまいました。

名前を聞いても知らない人です。

よく聞いていると、その人はパイレーツというグループの1人で、できちゃった結婚をしたというおめでたいニュースでした。
なるほど、パイレーツなら名前も知らないわけです。
パイレーツなら知っています。
「だっちゅーの」
というギャグで一時はかなり有名でした。
結婚したんですね。

それにしても顔のレベルはもちろん、あれだけ何度もテレビで「だっちゅーの」を見ていたにもかかわらず、おれがまったく顔を覚えていないということに愕然としました。
女性タレントにとって、顔はかなりのウエイトを占める存在価値のはずです。
おれも知らず知らずのうちに、女性タレントは顔を見ているはずなんですが…。

「だっちゅーの」そして、胸の谷間を強調するゼスチャー。
ついつい目がそっちに向いてしまっていたんですね。

これは一つの教訓になりますね。
やっぱり人間の個性というのは、短所ではなく長所で計るしかないということです。
多分、パイレーツが所属するプロダクションでも、パイレーツ(すみません、やっぱり名前知りません)の二人を顔で売れるとは思わなかったということですね。そこで、数少ないセールスポイントを重ねて、それを前面に押し出してみました。
すると、おれでも知っている「だっちゅーの」の出来上がりです。
また、パイレーツが2人組みというのも見逃せません。
メトカーフの法則にもあります。
「ネットワークの価値は、参加する人の数の2乗に比例する」
2人が同じように長所を強調することによって、他のものには一切目が向かなくなってしまったのです。

人をマネジメントする際にも、そうありたいですね。
短所は分類できるけど、長所はその人しか持っていないということ。

2007/07/09

【今日の読破】凍れる森

凍れる森 (文庫)
C.J. ボックス (著), C.J. Box (原著), 野口 百合子 (翻訳)

「人間だれでも人生に一度、傑作と呼べるものが書ける」
と、どこかで聞いたことがあります。

今までに存在しなかった価値観をぶつけてるわけだから、まだその世界観を知らなかった人にとってはショッキングで、小説や創作物として興味深いものができあがるということでしょう。
問題は2作目。

野球でも2年目のジンクスなどといいますが、ここをスムーズに乗り切ることができれば、もうその人は一流のエンターテイナーとして突き進むことができるでしょう。
C.J.ボックスという人。
2年目のジンクスどころではなく、1作目よりもはるかにスケール、完成度、感じさせる興奮度とも上を行っています。

真っ白な銀世界の中で起こるさまざまな事件とエピソード。
1作目よりも見事なまでに、スムーズにページをめくらせてくれます。

楽しいこと、苦しいこと

会社の理念から始まった論議。

まだ続いています。
なんと敵は、メーリングリストに載せて、
「楽しく仕事したかったら、会社で給料もらってやらずに自宅で自分の金使ってやれ」
だの
「従えないやつは会社から出て行け」
だの
「うんぬんかんぬん」
だのって、かなり過激な表現を次々と並べて立ててきました。

なんなんだ、いったい!?

おれの脳内を駆け巡る驚き、呆れ、哀れみ。
そりゃそうでしょ。
議論しようと思って取締役に入ったのに、従わない取締役は要らないってんじゃ、ねえ。
一言で片付けるなら、もう付き合いきれない。たった一つ、おれがここで踏みとどまる理由があるとしたら、おれが創業時の取締役に名を連ねていることだけです。

仕事を楽しくして何が悪い。楽しんだら遊んでるのと同じ?
自分の仕事に対するスタンスを考えさせられました。

創業時は苦しいもの。
おれはその苦しさを、仕事を純粋に楽しむことによって乗り切りたい。そう考えただけです。
意見が合わないのは仕方がない。
だからといって、価値観の違いをすべて不平分子として扱われたら、今後一緒にいろいろな危機を乗り切っていくのは非常に難しいと思います。

でも、考え方を変えれば、まだ創業して間がない時期に方向性の違いがはっきり見えてよかったと思います。

2007/07/06

【フィード】Yahoo! JAPANがトップページデザイン変更を発表

Yahoo! JAPANがトップページデザイン変更を発表、秋からβテストを開始http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/07/05/16253.html

いままでディレクトリ中心の検索だったのが、いつしかGoogleと勝負するページ検索になってしまいましたからねえ。
それでは、ってことでサービス中心で進めようとしたら、OCNやbiglobeみたいになっちゃった。

うーん。
「楽しむ」
「買う」
「調べる」

を捨てるのか。
よく、ポータル、ポータルっていうけど、yahoo!の役割ってなんだろうね。
一つ一つのプロジェクトがすごく巨大になっているけど、まとまるとカラーって感じませんね。なんだか、そんなキャラクターがそのままリニューアルの姿になった気がします。

【きょうの読破】弁護士は奇策で勝負する

法廷もののミステリー。
この本の解説でも書いてありましたが、ミステリーというジャンルの中で、法廷ものとそうではないもの(たとえば警察もの、FBIもの、探偵もの)を分けるのは、単なる職業ではなくて、ゴールが違うような気がします。
リーガルサスペンスのほとんどが、「かわいそうな濡れ衣を晴らす」ことに主眼を置いているのに対し、通常のミステリーのゴールは「犯人をつかまえて事件を解決する」ことにあります。

そういう意味では、法廷もののミステリーは、世界各国に通用するヒーローストーリーといえるのでしょう。

この本のヒーローは、決して強くはないけれども、
「あんたは天才だよ」
と呼ばれると、こころの中では
「そうだ」
と言ってしまうような男。

ま、ほとんどの法廷ヒーローはそうなんだけど。

いろいろなキャラクターはいるけど、正義をなせる人でなければヒーローにはなれない。
法廷ものがおもしろいかどうか、すべては主人公の魅力にかかってくるんでしょうね。

ミッション、理念ってなんだ?

1.汝、優秀さと美を誇示するために汝の羽根を見せることなかれ
2.汝、盲目的に荒野を歩むことなく、自分と他人の目を開かせよ
3.汝、金勘定に明け暮れることなかれ
4.汝、価値観を重んじ、日々それを純粋に、無条件に守れ
5.汝、すべての人を愛せよ。さればすべての人は汝を愛する
6.汝、汝の裏庭と同じくらいに、顧客の心の最も神聖な場所を知れ
7.汝、官僚主義のルールブックを投げ捨てよ
8.汝、人参が汝に差し出されるように、人にも差し出せ
9.汝、自己満足に耽ることなかれ
10.汝、会社から出るように強いられる、あるいは頼まれる前に、その地位から立ち去れ

成功ルールが変わる!
カラオケ資本主義を越えて

という本からの抜粋です。

おれの会社は、出資金の1000万円を丸々出してくれたスポンサーが、「会社が軌道に乗るまで」という条件つきでCEOに就任しています。
今回の会議では、会社案内のパンフレットについて討論しました。
おれは、まだ7人という少ない人数ながら、社員全員参加のメーリングリストディスカッションを行い、その中から会社設立の時に抱いた決意に近い3つをチョイスしました。
それが
「やわらか頭」
「いつでもどこでもだれとでも」
「新しいこと」
でした。

おれなら、それぞれのキャッチフレーズについて、別の言葉を使ったかもしれません。でも、社員が忙しい中で必死に考えた言葉、それを会社のキーワードとし て常に目に見えるところに提示すれば、少なくともそれをキャッチフレーズとして選んだ人のモチベーションはキープできると思いました。
もちろん、自分の信念と一致しないものは選んでいません。

そして、CEOからのお説教。
「これでいいのか」
ようするにこれじゃだめってことでしょう。

確かに、日々お客さんが来社したら、お帰りの際には社員全員立ち上がって
「ありがとうございました」
と叫べという考えの人。
なるほど、ビジネスで成功して財はなしたかもしれないが、それだけで引退した人だなあと思いました。
日々話していると、引退した引退したとはいうものの、まだまだ野心とか欲がないわけじゃなく、おれよりもそれが強い人に感じます。
なぜその人が自分のビジネスを突き進まずに引退し、おれたちに合流したかがわかります。

自分の会社では無理だった夢を、おれたちに懸けているんでしょう。

その気持ちに応えたい。おれに「それ」がないわけじゃない。
だけど、主義が合わないものは合わない。

企業理念って何だ。
せっかくの機会だから考えました。
たいして考えもなく、会社案内の原稿は書いたけど、今思いつきました。

「DNA」かなあ。
おれだっていつまでもこの会社にいるとは思えない。いやになってあしたやめるかもしれない(会議中も考えた)。
今回メーリングリストに参加してくれた人たちだってそうでしょう。
でも、不老不死の人はいなくても、企業なら不老不死ってありうるんじゃないか。だから人が集まってチームを組むんじゃないだろうか。
少なくともそんな夢だけは持っていたい。
子供たちに自分の会社を継がせたい。企業に永遠の命を与えたいという願いの典型的な表れです。

紀元2500年。
この会社が残っていたとします。
おれたちの会社に面接にきた求職者がいます。
「あなたは【やわらか頭】ですか」
「あなたは【いつでもどこでもだれとでも】お客様に役立つ人間だといえますか」
「あなたは【新しいこと】がしたいですか」
全部に「はい」と答えた人。
おれは紀元2500年にも通用する人だと思います。
そして、「はい」と答えた人は、間違いなくおれたちのDNAを受け継いでいると思います。

2007/07/05

【今日の読破】バッドチリ



自分がガキだなあと思うときがあります。
みんなそれぞれ、日々そういう経験をしているでしょう。

ムキになっちゃって大人気ないなあ、とか、腹を立てて人間できてねえなあとか。

おれの場合は、ユーモアやギャグのセンスが下品で、子供しか喜ばないんじゃないかという下ネタが、小説に登場するときに実感します。
登場人物たち、それが大の大人であるにもかかわらず、いかにも子供っぽい下ネタを駆使して会話するシーンは、たとえその本を手にしているのが1人でいるときだろうが、電車の中だろうがところかまわず吹き出してしまうからたちが悪いです。

この本は、各ページに1度はそういうのが登場します。
違和感なく読ませるにはそれなりに文章力や構成力、日本人だったら翻訳力なんかも必要なんだとは思います。
それにしても、ひどい本です。ところかまわず笑わせます。

Joomla! 驚きの追加機能

Joomla!がいかに使いやすいツールか、について、さらに突っ込んだところを。
なんといっても「Extension」と呼ばれる、追加プログラムの優秀さ。

まず基本となるのは
1.Plugin
 馴染み深い言葉です。
 Windows Mediaプレイヤーとか、Adobe Flash プレイヤーというのをインターネットエクスプローラー上で見たいと思ったら、小さなプログラムをOSに直接ではなく、各アプリケーション(インターネットエクスプローラーやMicrosoftオフィスといったもの)上にインストールする必要があります。
 それをプラグインと呼びます。
 Joomla!でもまったく同じことです。
 そのちっちゃなソフトが入っていることは、見ている人にも、実際にJoomla!を使っている人からもまったく意識せずに、そのアプリケーションを使っているのです。
 たとえば、Joomla!上で動画を見たいといった場合などにおいては、Pluginの形でメディアプレイヤーをインストールしておきます。
 これにより、見る側・見せる側とも、新しいファイルを見たり見せたりする前に、Joomla!を改造する必要なく、ヴァージョンアップできます。
 しかも、ボタン一つでインストール可能。

2.Components
 コンポーネントは、見せるための小さなプログラム。
 HTMLもPHPスクリプトも、JavaScriptも、みんな一まとめになって組み込まれています。
 たとえば、Flicrなみのスライドショー式、静止画共有サイトを作ろうと思ったら、スライドショー機能つきのギャラリーコンポーネンツをインストールするだけです。
 これだけで、写真をアップロードするためのプログラム、表示させるためのスクリプトとHTMLソース、そのすべてがあっという間に完成してしまうのです。
 この簡単さは、はっきり言って感動ものです。

3.Module
 コンポーネンツに含まれている場合もありますが、コンポーネンツとプラグインで使えるようになった機能を、より便利な形で見せるために使います。
 たとえば、上記のギャラリーコンポーネンツのうち、ここ1週間以内にアップロードされたものだけを、スライドショーにしてトップページ上に表示したいと思ったら、last update filesというモジュールをインストールするだけです。
 あとは、元々Joomla!にインストールされている管理機能から、そのモジュールをどこに表示させるかを考えればいいだけです。

こういったwebsiteを、たとえば人に作ってもらったらいくらすると思います?
シンプルな答えは「言い値」です。
誠実な答えは「プログラマーの単価×就労時間」です。
どっちにしても、大抵は1000万円近くかかるでしょう。

1000万円分の仕事を無料で、おれの愛するJoomla!の魅力はなんといってもそこです。

2007/07/04

【Todays FEED】日本が遅れているサービス

GoogleやMySpace,Facebookへの流れ阻止に動き始めた

webの流れは、アメリカで始まり、そこからアメリカでブレイクすることもあれば、その一方でヨーロッパから波が発生することもある。
最近では、ヨーロッパで生まれたものが、アメリカでブレイクすることもあるようだ。

この流れは、音楽の流行に似ている。
やはり、日本生まれ、アジア生まれのサービスは言語と文化の違いのせいか、全世界的な支持を集めるのは難しいのだろうか。

ところで、ボン・ジョヴィの新しいアルバムが日本では初登場1位だそうだ。
おれは、アメリカやカナダのFMラジオのライブストリーミングが大好きだが、ほとんどボン・ジョヴィはかからないにもかかわらず。

その反対に、アメリカで人気があるのに、日本ではほとんど注目されないアーチストがたくさんいる。
webと音楽が同じだということであれば、世界の流行と日本の流行は決して一致しない。
●成功例…ブログ、SNS、RSS

widgetはどうかなあ。
決して成功するサービスではなさそうだけど、反対にsecondlifeみたいに、エンドユーザがついてこないのに、企業主導で成功している例もあるからなあ。

【今日の読破】成功ルールが変わる! 「カラオケ資本主義」を越えて

「頭の切れる人材を雇って、その人たちに『これをしろ』というのは意味がない。われわれは頭の切れる人材に、われわれが何をすればよいのかを教えてもらうために雇っているんだ」
(アメリカ/アップル社CEO ステーヴ・ジョブス)



この姿勢。
経営にタッチする1人として、こういう先進性。いいですね。

いい意味でも悪い意味でも、企業は人の集まりです。
そして、これからの時代、企業は「戦う集団」ではなくて、「創り出す集団」でなくてはならないのではないでしょうか。

オープンソースの時代、web2.0の時代に、トップだけが考える必要などあるでしょうか。トップがすべきこと、それは考える場所を与えることだと信じています。
あとは集まった人たちが考えていればいい。
wikipediaに載っていることは正確ではないかもしれない。でも、それを正確だと信じる人が多ければ多いほど、それは正確なものになっていく。

時として、真実よりも重要な事実として。

Joomla!ってすげえ

Joomla!のメリットを挙げてみましょう。
1.導入が簡単
 アメリカでは、純粋なCMSとして圧倒的な主流となったJoomlaですが、アメリカを除くと主流とさえいえないのが現実です。
 それぞれに理由があって、それぞれにメリット・デメリットがあるCMSサービスですが、ヨーロッパに強い「TYPO」はまるでOSではないかというほどの多機能。ところが、その導入とカスタマイズにかかる手間といったら…。
 Joomla!導入については、当然のことながらLAMPまたはWAMPのいずれかが必須ですので、LINUXとWindows、APACHEのインストールそのものはホームページを持っている人にとってさほど面倒ではなくても、MySQLの設定の部分ではいくらか知識が必要になってきます。
 でも、CMSには多かれ少なかれその知識は必要でしょう。
 最後のPの部分、PHPやPERLの部分は、ほとんどJoomla!が設定してくれるので楽です。

2.それっぽいデザイン
 日本やアジアを中心に、CMSはxoopsという時代がありましたが、元々はコミュニケーションツールとして開発されたものですから、Joomla!に比べるとプロっぽいデザインにはなりにくくなっています。
 どちらかというと、CGMに近く、個人が他の個人と結びつくためのツールでしょうか。
 その点、Joomla!は、用意されているテンプレートも企業とかビジネスっぽいイメージのものが多いです。

3.ボタン一発高機能
 LinuxやMacに比べて、Windowsのユーザーがかくも増えてしまったのにには、exeファイルを筆頭とするWindows インストーラの便利さ。
 これによって、カスタマイズがむずかしく、その人用の設定がしにくくなっているのは事実ですが、「使えりゃいいや」という人にとってはこれほど便利なOSはなかったはずです。
 Joomla!の多機能化。
 たとえば、画像でスライドショーをしたりというのも、必要なコンポーネンツ(ソフトウエア)、モジュール(ソフトが動いた結果を表示する部分)もボタン一発。まさにWindowライクな簡単さで実現してしまうのです。

 初めてJoomla!、当時はMamboだったけど、インストールしたときは感動したよなあ。
 

2007/07/02

ザ・ビジョン 進むべき道は見えているか

ザ・ビジョン 進むべき道は見えているか
ケン・ブランチャード (著), ジェシー・ストーナー (著), 田辺 希久子 (翻訳)

ビジネスにはビジョンって大切だ。
だれもがそんなことは言いますが、実際のところはどうなんだろう。
カッコつけてるだけ? もっともらしいことを言うためのツール?
本当に大切なのは、経営者自身が確信することによって、それが内外の人たちのモチベーションを上げもするし下げもする。

だから、経営者はビジョンを持って突き進まなくてはならない。

でも、ほとんどの会社にとって、毎日を生き抜いていくのが苦しくて、なかなか自分のビジネスをしっかりと把握するのは難しいのではないでしょうか。
この本を読むと、ビジョンについてどうつきあって、どう考えていったらいいか見えてくると思います。

いかに、自分がビジョンビジョンと口にしながら、その重要性やその具体性を考えていなかったかを実感させられます。

簡単でわかりやすく、ノヴェライズされているからこそ、かえって自分が恥ずかしくなりました。

6/29のフィード

ニュースソース
http://zen.seesaa.net/article/45441357.html

Glam
http://www.glam.com/

こんなサイトがあることさえも知らなかった。
18歳から49歳をターゲットにしているそうですが、年齢幅30歳というのはかなり広いですね。

joomla!とweb2.0

CMSの主流は明らかにCGMに移ってしまったようです。
CMSとはコンテンツマネジメントシステム。
マネジメントという言葉そのものが、すでにweb2.0の時代に乗り遅れた時代遅れの産物に聞こえてきます。
反対のCGMは、コンシューマージェネレイテッドメディア。
なんともweb2.0の草の根運動的な言葉です。
でも、考えてみてください。
CGMもweb2.0も、どちらもCMSの延長にあったものではないでしょうか。
CGMが主流になりつつある今だからこそ、CMSに再度注目してみてもいい、とおれは考えます。

「joomla」というCMSエンジンがあります。以前は「mambo」と呼ばれるCMSでしたが、内ゲバがあって2つに分岐し、どちらも細々と活動を続けています。
オープンソースの世界。活動が続く限り驚くほど進化します。

おれはこれからもjoolmaを応援し、利用しつづけていきます。