2007/07/25

デザインとシステム。そしてマーケティング

昨日のテーマとして取り上げたNHK特集の「携帯電話デザインウォーズ」でも、NECのシステム集団と外から入ってきたデザインチームの議論を見ることができました。
見ていると、お互いが「好き勝手なこと言ってやがる」というムードがありありと見えていました。
たまたまテレビカメラが入っていたから、それほど感情的な話にはならなかったようですが、もし好きなようにやらせておけばとんでもない泥仕合になっていただろうなあというかんじです。

その反対に、ソニーのミーティング(shingi)では、和気あいあいと自由に意見が飛び出して、あまりにも対照的な印象があります。

理由は一目瞭然です。
まず、デザインチーム、システムチームという言語そのものがもうおかしいでしょう。
そもそもチームというものは、共通の目的のために自然に発生するものであって、同じ目標に進む中に別のチームができるはずがありません。
野球チームでいうなら、ニューヨークヤンキースがあって、ボストンレッドソックスがある。それだけの話で、目的はそれぞれが相手チームに勝つためです。
決して、ニューヨークヤンキースの内野手チーム、とか、ニューヨークヤンキースのバッテリーチームなどとは言わないでしょう。

一般的な会社でも、そういう対立というのは存在していると思います。
おれの会社でも、小さいながらもデザインをする人がいて、システムを組んだり運用する人がいて、営業に出る人がいる。
それぞれ言い分は違うし、作業も違います。
それではいつも対立してていいかというと、そこから生まれるものは何一つありません。
「激しい議論が必要だ」
もっともらしくは聞こえます。
でも、社内の、あるいはチーム内の力関係で結論が出るのであれば、議論の意味はありません。
感情的な議論になれば、お互いに「すべてかゼロか」です。
ソフトで強烈なリーダーシップによって、議論の方向を導かなければNECのような一方のゴリ押しをもう一方が甘んじて受けるという図式になってしまいます。
生まれるのは遺恨だけ。

反対にソニーはというと、出席者全員がそれぞれにデザインについてもちろん、システムについてもマーケティングについてもうるさそうな人ばかりでした。
間違っても議論の中で、「システムについてはわからないけど…」なんていう言い訳でスタートする発言はないでしょう。
だからプロジェクトが成功すれば、お互いに喜ぶはずだし、失敗に終われば全員で肩を落とすでしょう。

すべてかゼロで決まる議論。
うまくいけば自分のおかげ、失敗すればあいつらのせい。

システムのことをまったく知らない人、デザインについて方向性の見えない人、マーケティングのことを考えたこともない人。
会議に出席する資格はありません。

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