2009/09/15

デイヴィッド・イグネイシアス「報復回路」

今読んでいる本が、報復回路



という本になるのですが、なんともスリリングで恐るべき本です。

その中に、アラブの大富豪のプリンスが出てくるのですが、その人物を見て考えました。
人間、3大欲(食欲、睡眠欲、権力欲)が満たされると、次に何を求めるかということです。
好きなだけ使える財力があって、見た目も美しく、さらに生まれながらに持っている権力。
それだけあれば、3大欲プラス性欲も満たされてしまうでしょう。時間もありあまるほどあります。
なんたって仕事しなくていいんですから。

そうなると、次に何が起こるかというと、「退屈」みたいです。
で、すべて満たされた人によって、最も恐れる対象である退屈を逃れるとき、人はどうするか。これは著者の勝手な思い込みかもしれないが、
「他人の不幸、恐怖を第三者として眺める」
のを求めるそうです。

古来、ローマ帝国の格闘技や中世の貴族と奴隷の関係にあった「人狩り」など、退屈した人間が他人の恐怖と不幸を眺めるために生まれた娯楽だったりするわけです。

金持ち野郎を目指すこのおれ。
金持ち野郎になったら、そんな残酷さが出てくるんでしょうか。

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